主腐の萌え充の日々

数年ぶりにぶり返したBL熱。読んだ小説や漫画のレビューです。

雪の声が聞こえる

古本で出会いました。表紙を見た瞬間惚れて購入。
イタイ作品はとことん痛い水原作品なので、アイタタ系は好きじゃないので水原作品は買う前に結構悩みます。。でも、別名の小川さんファンとしては好きな路線じゃないと分かっていながらも水原作品も応援したいという気持ちもありますので、結局悩みながらも背伸びして買ってしまうパターンが多いんです。


今回もちょっとは躊躇しましたが、表紙に一目ぼれして、ジャケ買いみたいなもんです。
もうこのジャケを見るだけでも、雅彦(攻)の幸(受)への愛が伝わってきます。


田舎の資産家の使用人の孫という立場で日々祖父とつつましく暮らす幸(受)と資産家の息子の雅彦(攻)雅彦は最初から幸に恋愛感情を抱いていて、大学進学のために東京へ上京するのを機に幸を抱いてしまいます。幸はそれを受け入れられず、雅彦から距離を置こうとするも、祖父の死を機に雅彦から上京を奨められ、距離を取るどころか半ば強引に同居生活に・・。


誰もが憧れる、同級生からも一目置かれる完璧な存在である雅彦も所詮は未成年でまだ幼さかった。その幼さゆえに、自分から距離を置こうとする幸を繋ぎとめるために、嘘をつく。


『僕達は、腹違いの兄弟なんだ』と・・。


それは雅彦の父親が、本当だったら幸の母親をお嫁さんとして迎え入れたかったけれど時代が悪く、それは敵わぬ恋として終わってしまった。その事情を知っている雅彦の思いついた兄弟だという嘘。


その嘘のおかげで幸は雅彦との関係に葛藤を繰り返します。
兄弟で何故体をつなげなきゃいけないのか。。それは幸の倫理から大きく外れる行為で・・。


最終的には幸が雅彦に対する思いが恋愛感情だと気付き、二人は相思相愛にはなりますが、最初から幸が大好きで大好きで仕方がない雅彦と、なかなか受け入れられなくて葛藤を繰り返す幸とのやりとりがもどかしいです。もうこんなに大事に愛されているんだから何も考えずに受け入れてラブラブになったら良いのに!!と読んでいる側は幸にイライラさせられる場面も多かったです。でもこれは雅彦の嘘のせいでもあったので、根本は雅彦が悪いのかも知れませんw


結局は血の繋がりもない単なる他人同士だった2人ですが、嘘がばれるまでは兄弟の様に過ごすわけで、兄弟設定好きには結構これが萌えつぼだったりしましたw
実際はがっつり血が繋がっているより、他人同士の兄弟の方が安心して萌えられます。
今回のようなパターンの兄弟が大好きです。



最後の方の挿絵に、お兄ちゃんである雅彦が幸を探して駆けつけるシーンの挿絵がありますが、もうこれが死ぬほど萌えツボ刺激されました。この挿絵だけのためにこの作品を買っても間違いないです!


束縛するし、強引だし、監禁するしで、ロクでも無いアニキっちゃーアニキなんですが、幸への一途な愛に胸がきゅんとします。そして完璧に見えるアニキも実は幼かったというその弱さもまた萌えでございました。


最終的に、資産家の実家を継ぐ者と、結局は田舎暮らしを選択し東京から再び田舎へ舞い戻っていく幸にと2人の進路は別れてしまいます。


家の跡取りとして、最終的に幸と一緒になる事に対し誰にも口出しをさせぬように力を身に付けようとする雅彦と、雅彦が立派になって田舎へ戻ってきた時、ずっと傍に居ようと決めて田舎へ戻ってきた幸。思いが一緒だから離れていても大丈夫。と物語りは終わりますが、やはり2人一緒に過ごしながらの終わり方ではないので若干の寂しさも感じました。

雪の声が聞こえる (キャラ文庫)
雪の声が聞こえる (キャラ文庫)
著者:水原 とほる
出版社:徳間書店
発売日:2014-04-26
カテゴリー:本




最近、backnumberのヒロインと言う曲が好きでよく聞きます。
で、これってよくよく聞くと、この話の世界感にピッタリマッチする曲だな~~と思ってますます好きになってしまいまして・・結構な頻度で幸と雅彦を思いながら聞き入ってしまってますww


ヒロイン
ヒロイン
アーティスト:back number
レーベル:ユニバーサル ミュージック
発売日:2015-01-21
カテゴリー:ミュージック